2020.02.23
増加し続けているSTD「梅毒」
STDについて、みなさんはご存知ですか?
“STD”は、“Sexually Transmitted Diseases”の頭文字をとったものです。
「STD(性病・性感染症)」とは、性行為により感染する病気のことです。症状を感じにくいものもあるため、感染して気づかないでいると、知らない間に体がむしばまれ、男女ともに、不妊症の原因になることがあります。また、妊婦さんの場合、流産や早産の原因になることがあります。産婦人科できちんと治療することが大切です。
ひとくちにSTD(性病・性感染症)といっても、症状がでる箇所や感染する部位にも様々な種類があります。尿道や腟の病気、イボやデキモノ・皮膚の病気、のどに感染したり、全身の不調など。
最近はテレビで毎日「新型コロナウイルス」について報道されていますが、感染症は、細菌、ウイルスなどの病原体が体内に侵入し、増えることで引き起こされる病気のことです。STDも感染症の一種なのです。
当院は開業して半年以上経ちましたが、
STD「梅毒」の患者数が、かなり増えている印象を受けています。
大阪市では平成30年に800人を越える患者の報告があり、全国でも6000人以上の患者が報告されています。1970年以来、6000人を超えるのは実に48年ぶりです。
梅毒は、性的な接触(他の人の粘膜や皮膚と直接接触すること)によって感染します。
具体的には、性器と性器、性器と肛門、性器と口の接触などで感染します。
日本への梅毒の流入源としては、1510年の三浦の乱以降、明国の南部を荒らしまわっていた倭寇が外地の港の遊興で梅毒に感染して日本の港の遊女に感染させたと言われています。
このような歴史的な背景などからか、一昔前までは「梅毒」は、一般人には関係の無い、風俗の病気!!というようなイメージでとらえられていました。
しかしここ数年、患者として報告される人がこれだけ増えていることに危機感をもって、性について今一度正しい知識を持つべきだと警鐘を鳴らしたいと思います。
↑4・5年前までは患者の多くが男性でしたが、平成27年以降は女性の報告が特に増えています。特に20代の若い女性に多いのがわかります。
「梅毒」の病原体『梅毒トレポネーマ』は、感染している人の性器などの患部に多く存在し、性行為によって接触した粘膜や、皮膚の小さな傷などから侵入していきます。
その感染力は、実にHIVなど他の性病と比べ非常に強く、たった1回の性交で感染する可能性は、なんと15~30%と非常に高いのを知っていましたか??1回の性交で感染するリスクが非常に高いのも「梅毒」の特徴です。
また、性器の接触による性交だけでなく、オーラルセックス(口腔性交)で咽頭部に感染したり、アナルセックス(肛門性交)で直腸に感染するなど、性行為の方法によって性器以外の場所にも感染してしまいます。
「梅毒」の症状は、感染してから症状が出るまでの期間は約3週間です。症状は、時期によって異なります。
第一期(感染して約3週間):感染がおきた部位(陰部、くちびる、口の中、肛門など)に赤いしこり、潰瘍、少し遅れて股の付け根部分のリンパ節が腫れます。
しかし、これらの症状は痛みや痒みが無く、放置しても2~3週間で消えてしまいます。
感染しても、「何かあったけど、自然に治ったな」と勘違いしたまま、あるいは感染に気付かないまま、性交渉をしてしまい、知らず知らずのうちに感染拡大を引き起こしてしまうのです。これでは拡散されるのは無理もありません。
第二期(感染して約3か月):発熱、頭痛、うっすらと赤い発疹、脱毛など
第三期・四期(感染して約3年以降):皮膚にゴムのような腫瘍、血管や心臓、脳などに障がい、場合によっては死亡につながります。まぁ、ここまで放置される方はいないと思いますが、、
STDは日常生活では感染しませんと言われていますが、くちびるなどに「梅毒」の病変がある人とのキスやコップの使い回しでも感染するほど、強い感染力を持っています。
近年になって爆発的に増えている「梅毒」は、
日本人の国民性でもある低い危機意識「私は大丈夫」という他人事ではなくなってきていると言えるでしょうか??
梅毒は、基本的に自然治癒することはありません。治療すれば完治できる病気です。パートナーの感染率も高く、残念ながら「梅毒」は、一度治っても何回でも感染してしまいます。2人同時の検査や治療が必要です。また検査は血液検査でできます。
神道レディースクリニックはプライバシーに配慮した作りになっています。ご希望がございましたら、ご予約のときにお気軽にお申しつけください。安心して受することが可能です。自由診療の場合は保険証不要、匿名検査も可能です。
お互いを思い合う大切なパートナーだからこそ気になる方はぜひ検査を受けてみてはいかがでしょうか?妊婦さんが感染すると60~80%の胎児が感染します。ブライダルチェックに来られるカップルも多いです。お気軽にいつでもご相談くださいね。